【再】クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲 >> 生きる覚悟

ここでの主題であるノスタルジー論争には正直興味はない。20代学生の筆者にとって、大阪万博は教科書上の出来事にしか過ぎず、家族(子ども)に対する思い入れがあるわけでもなく、むしろ(この映画の中での定義に沿うと)大人でも子どもでもないことに疎外感すら感じる。[※]

(そうは言っても、「懐かしいって、そんなにいいことなのかなあ?」という風間くんの一言が、懐古主義(このブログを読んでもらってればわかると思いますが)の筆者の胸に突き刺さるのだ。ぐはっ。)

ただ、この映画を観て涙を禁じ得ないのは、「死なせない演出」

ラストシーン。大人たちを惑わした悪党のボス(ケン)とその連れ(チャコ)が、タワーから飛び降りようとする。足を踏み出そうとしたその刹那、足下から二人に襲いかかってくる鳩。(その足下には鳩の巣があり、雛がいた)。後ずさる二人。風・・・。「死にたくないっ・・・」(チャコ)。「──また、家族に邪魔された」(ケン)。

世の中フィクションなのをいいことにバッサバッサと人を殺し過ぎなことに不満タラタラなのだが(いったい一日に何人死んでんだよ)、逆に「死なせない」のがいかに難しいか、そしてその覚悟が自分にあるかと考えさせられる。

覚悟して生きろ。

多少他人(鳩)任せな感もするが、下手に言葉にしなくても(しない方がより強く)伝えることはできるんだよ、と。(ゲ*戦記の中の人に爪の垢を煎じて…)


※しかし20代というこの年が、人生の中でこういうテーマから最も離れている時期であるにも関わらず、何故か頬を伝う熱いモノが止まらないのだ。