風立ちぬ

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物語を、鑑賞者が視点を始まりに置いて、登場人物と一緒に経過を追うものと、終わりに置いて、全体を俯瞰しつつ経過を振り返るものとに分けるなら、これは後者なのだろう。第三者的視点からの表現であるがゆえに、誰かが感情移入できなくて戸惑うと言っていたけどそれは多分そのとおりで、良い悪いでなく、そういうお話なのだと。

まぁ、仕事人間的には(おいらもたいがい仕事人間なので)、いい仕事したいなぁという想いを改めるほどには影響を受ける作品だったと思う。ただし、その先にあるかもしれない無力感を、どうすればよいかという答えを用意してはくれなかったけれど。

【追記】
と言っておいて思ったのだけど、僕はいつから、映画とか小説とかに、僕個人に向けられたメッセージなんかを期待するようになってしまったのかという、自分の甘えに気が付き、ショック。そんなものは、作り手が好き勝手に作ったものを、こっち(受け手)が勝手に、そして全力で、酌み取って絞り出すしかないんだ。