何者
おいらがまだもうちょっとでも若かったら、こんな生々しい自分自身の姿を見せつけられたらきっとコテンパンに打ちのめされただろうと思うけど、今となっては、登場人物の行為・立ち振る舞いの*すべて*を微笑ましく見守っていられた。オトナになったなぁ。
とは言いつつも、これを一人で観るのは、古傷を抉られて正直ツライ。学生時代の友人と一緒に当時のように宅飲みしながら、こういうことあったよねと笑いながら観るのが最も正しい鑑賞法。そうして「オレ、実はあの頃…」みたいな甘酸っぱい話が始まってキャー!!青春か! いや、おいらにもあったケド、青春。
(ところで、この「あるある」が経験者としてはカタルシスであるのだが、例えばうちの母親にこれを見せたとして、果たしてどこまで伝わるものだろうかと思った。父親に見せたら(意味は通じなくても)説教されるからイヤだと確信。と言うか、10年も経ってなんにも変わってない日本の就活システム、マジ終わっとる。)
* * *
さて、ちょっと私の理解が足りないシーンがあったのでどなたか教えていただきたいのですが。
物語の最後が原作と違ってあるシーンが追加されているのだけど(訂正:原作どおりでしたね)、
①この人がどうして就活がうまくいかなかったのか、そのダメダメな姿を具体的に示すことで、観客に向けたタネ明かしをしたかったのか、
②この人がこの物語を経た結果として、何か(この作品の主題)に気付きかけている兆しを示すことで、観客に将来に向けての期待を持たせたかったのか、
どちらを意図してこの面接のシーンを付け加えた(訂正:描いた)のか分からなかった。
作品としては①のように突き放した結末の方が徹底しているように思うけど、それだとわざわざシーン追加する必要性が無いし、個人的には②のように希望のある物語が好みだけど、それにしては最後に言い淀むあのセリフは尻すぼみだ。
(追記:ということで、原作を読むと後者②の意図であったことが分かったわけですが、確かに、登場人物のモノローグで説明のできる小説と違って外面だけで説明しないとならない映画で、それを表現するのは難しかっただろうと思う。だけども、私のような誤解を避けるためにはもう一歩(説明的に)踏み込んでも良かったのかもしれない。)
* * *
そして、晴れて就職しても、その後、まだこの歳になってさえも、いや、きっとこの先もずっと、同じことを悩み続けるんだよねぇ。
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