考えるカラス

NHK 考えるカラス―「もしかして?」からはじまる楽しい科学の考え方

NHK 考えるカラス―「もしかして?」からはじまる楽しい科学の考え方

これは素晴らしい。2013年NHK放映「考えるカラス 〜科学の考え方〜」の書籍化。

何が素晴らしいか、個々のトピック(例えば、高さが違う2本のロウソクに火をつけ、2本一緒にひとつのビンをかぶせると、長いロウソクと短いロウソクのどちらの火が先に消えるでしょうか?)に対して、読者に予想させる→結果を提示する→読者(視聴者)が考えたその理由を例示する→そして→そのトピックは終了する。そう、結果に対する科学的な説明(どうしてそのような事象が起こるのか)は示されないのである! なんじゃそりゃ! なんで背が高い方のロウソクの火が先に消えるの??? なんで???

と、読者は雲に巻かれたような不信感を抱くかもしれない。しかしながら、そうやって予測(根拠)→観察(証明)→理由(考察)→再実験を繰り返すプロセスそのものが、真に科学的ではないだろうか。

そして、これは、小学生ならば小学生が考えられる(確かめられる)範囲でやることができるし、高校生ならば高校生、大人であっても、自分が今持っている知識と観察力の範囲でやれば十分なのであって、このプロセスを繰り返すことだけをまず身につけられるならば、ただ知っているだけの知識がいくらあっても敵うものではない。

だって、あなた、背の高い方のロウソクが先に火が消えるなんて、本当に確かめましたか?