DICOMO2007 (招待講演)

(招待講演) タンジブル・ビット:情報の感触・情報の気配
石井 裕 (MIT Media Laboratory)
p. 1816
Keyword タンジブル, HCI, アンビエントメディア

Abstract
人々は、物理空間の状況を知覚しそれを操作するために、極めて洗練された能力を発展させてきました。しかし、今日のグラフィカル・ユーザー・インターフェイスGUI)は、このような能力を十分活用することができませんでした。Tangible Bits(タンジブル・ビット)は、人とコンピュータの対話(HCI)の未来形を追求する我々のビジョンであり、ディジタル情報に物理的な実体を与えることで、人間の持つ物理世界を認知・操作する優れた能力を活かして、ディジタル情報へのアクセスを可能とし、ビットとアトムの2つの世界を継ぎ目なく(シームレスに)結ぶことを目標にしています。  Tangible Bitsのビジョンを指針に、我々は、物理的なモノ、その表面、および物理空間にディジタルの意味を付与することにより、ディジタル情報を、物理世界を通してより直接的に実感・操作することが可能な「タンジブル・ユーザ・インタフェース」(TUI) をデザインしてきました。人間の認知のフォアグラウンドにおける、モノを介したディジタル情報の直接操作、また、それに加えて環境的(アンビエント)メディアを用いた知覚の周辺(バックグラウンド)における情報ディスプレイについても研究を行なっています。  人々が生涯を通じ物質的な世界と関わりあうことで育んできた豊かな感覚と能力を活かし、人間、ディジタル情報、そして物理世界をシームレスにつなぐインタフェースを実現することが、私達の研究の目的です。  この講演では、Tangible Media Groupがデザインした様々なタンジブル・ユーザ・インタフェースをご紹介し、ユビキタスGUI を越える、将来の研究の方向を提案します。

正直,これだけのためでも今回参加した価値はあったと思う.

さて,彼らを超えることができるか.